Doubtful river
ダウトフルリバー


これだから釣りはやめられない



  国道に車を止め、ワイアウリバーを渡り、ダウトフルの谷に入る。
  1時間ほど歩くと、川幅が狭まり、魅力的な流れが始まる。
 
  大きなブラウンを30cmほどの水深の流れにみつけた。
  ゆったりとした流れの中のブラウンは、左右に大きく動きながら流れてくる虫にライズする。
  
  魚の動きに集中し、動きを予測する。
  魚との距離を考えてリールからラインを引き出す。
  ラインの先にはセミフライが結ばれている。
  ゆっくりとキャスティングをはじめ、3振り目で魚の上流にフライをキャスト。
  ・・・・
  心臓が鼓動する。竿を持つ手に力が入る
  全神経がフライと魚に集中する。
  フライが流れに乗り、魚に向かって流れていく。
  フライを見つけた魚がゆっくりと浮いてくる。
  フライの匂いを嗅ぐかのように、フライの前で一瞬止まる。
  ゆっくりと口を開けてフライを吸い込んだ。

  
  
  心の中が穏やかな心境でいられること、何十尾、何百尾釣っても、
  この瞬間こそがすべてのような気がする。
  経験がすべてで魚の行動を予測しイメージできたとき、
  スカッと気持ちよいほどの、アワセが決まる。
  だから釣りはやめられない。

     
  ダウトフルのビッグブラウン 71cm・8ポンド



      広兄が釣った 69cm・9.5ポンド

  初めての川で、まったくわからない川でも、
  その川に魚がいるのか、どんな魚がいるのかわからなくても、
  雨が降っていたり、風が吹いていても、
  ぱっと見ポイントがなくても、先に釣り人がいても、  
  とにかく歩く。
  良くなさそうなら、歩いて場所を変える。
  歩いていれば、必ず状況が変わる。
  いい深みが出ててきたり、偶然魚が見えたり、
  努力してれば、必ずご褒美がある。
  これを信じて、歩くのが私の釣りで、それしかない。
  そして、裏切られることもあれば、成功することもある。
  ダウトフルリバーは、気持ち良かった。

          
             2002年2月27日ダウトフルリバーにて



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